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 茶道はそこに流れる精神を極めていくことですが、反面、沢山のモノに囲まれた世界でもあります。
 このページでは茶碗、水指、茶杓など茶道具を種類別に見ていき、その見所や四季折々の使い方などわかり易く解説していこうと思います。

 

第1回  薄茶器

秋草蒔絵

秋草蒔絵

 

秋野蒔絵 

秋野蒔絵

 

濃茶を入れる器が濃茶入れ、薄茶を入れる器が薄茶器です。

薄茶器はもともと濃茶入れをしまっておいた挽家(ひきや)から始まったものだといわれています。

陶器もありますが、素材には木を使った漆工芸がほとんどです。

蒔絵の手法として研ぎ出し蒔絵、平蒔絵、高蒔絵などがあり、複雑な工程を経てレベルの高い作品が生まれてきます。

今回は秋の蒔絵のものを集めてみました。

最初の写真のものはナツメの実の形に似ていることから棗(なつめ)といい、薄茶器の型の基本となります。

一閑張といって木型の上に和紙を張り重ねて作ったもので、手に取ったときの軽さが特徴です。

2点目の秋野棗は写真ではわかりにくいかもしれませんが、普通の棗より一回り大きく、大棗と呼ばれています。

3点目は棗を上から押しつぶしたような格好で、平棗といいます。

丁寧な仕事ぶりと溢れる季節感をご堪能ください。 

 

松虫蒔絵

松虫蒔絵

いろいろな薄茶器の形を見てみよう

棗      阿古陀      甲赤      碁笥棗 

平棗      瓢      河太郎棗      鮟鱇

帽子棗      龍玉      大渡し      手桶

長棗      老松      中次      雪吹

水滴    油滴    弦付    手甕

それぞれの特色     

棗は萩蒔絵、阿古陀は瓜の形を模したもので夏に使われ、蓋に小さなつまみがついています。

甲赤は赤い部分すべてが蓋となっています。

碁笥(ごけ)棗は碁石を入れる碁笥に似ているところから付けられたようです。

この平棗のデザインは独楽と言われています。

河太郎はカッパのことで、蓋の頭がへこんでいて夏に用いられます。

また、鮟鱇は魚のアンコウが大きく口を開いたところをかたどったもので冬に使用します。

帽子棗は烏帽子棗とも言われます。

大渡しは江戸千家の好みです。

老松は蓋が蝶番になっているものが多く、お茶を掬うときはタテに開きます。

中次はスパッと木を切ったようなシンプルな形、雪吹(ふぶき)は蓋と底の部分が面取りされていて上と下が同じように見えることから、吹雪のために上も下も見分けがつかない状態にイメージされ、字の配列も逆になっています。

水滴等四つの器はいずれも陶器でできていて、総称して四滴と呼ばれています。

この他にも尻張棗(下部が広がったもの)、金林寺、寸切、薬器、鷲棗、立鼓などさまざまなかたちがあり、扱いも多岐にわたっています。

とは言うもののやはり最初は基本である棗を使ってお稽古してください。

 

 

第2回  茶碗 … part1 (高麗茶碗)

茶碗

井戸  

 茶碗は茶道具の中でもとりわけ重要なポイントとなります。

 亭主が心をこめて点てたお茶を入れる器であり、それが運ばれて客の手に渡り、その感触を確かめながらお茶が飲み干されます。

 沢山の道具が使われる茶の湯では主客共に手にするのは茶碗の他にはないのです。

 掛け軸が茶会のテーマだとすれば、茶碗はそのドラマの中の主役に当たると言っても過言ではありません。

 ですから1回ではいろいろな器を網羅することが不可能なので、今回は高麗茶碗だけを取り上げてみました。

 これは朝鮮から渡来したもので、侘び茶が起こり始めた時期に合致します。

 それまでは中国から運ばれたいわゆる唐物が主流で、格式を第一とする茶道がもてはやされていたのですが、利休をはじめ、安土桃山時代の茶人たちはそれに飽き足りず、新しい茶の湯を模索し始めていたのです。

 その美学から拾われたのが朝鮮の雑器、いわゆる高麗物だったのです。

 中でも井戸茶碗は最も珍重された器です。

 名前の由来は特定できませんが、地名説、所持していた人の名前という説、井戸のように底が深いところからきているという説などさまざまです。

 高台(畳に触れる立ち上がりの部分)が竹の節のように見えること、高台内が兜巾(山伏の被り物)状に突起していること、総釉で枇杷色の発色が認められ貫入が走り高台近辺にカイラギ(梅花皮)が現れていること、重ねて焼いたためにできる目跡があること、全体の形は大きく堂々として風格さえ感じられる等、その特徴は枚挙に暇がないほどです。

 写真は萩焼きの井戸写しですが、名品に「喜左衛門」「美濃」「有楽」「筒井筒」などがそれぞれの美術館に所蔵されています。

 なお以下の写真は現在の韓国で造られた写しで今高麗と呼ばれているものです。

青井戸

 井戸の中でも大きいのを大井戸、小さいのを小井戸と呼んでいますが、青井戸は全体に青みがかって見えるやや小さめな茶碗です。

 井戸と同じく轆轤目がはっきりとしていますが、高台は小ぶりです。

 静岡の三島神社の暦の感じが、茶碗の線状文にオーバーラップして、この手のものを三島と称しました。

 写真は花形の印を押して造る花三島と呼ばれる技法です。

 井戸とともに高麗茶碗の中では歴史は古く、この他にも文様を釘などで彫って造る彫三島があります。

花三島

刷毛目 三島

 成形された器に刷毛で釉を一気に引くことによって、シンプルで力強い表現を目指したものです。

 写真は内側が三島手になっていますが、刷毛目と三島は作風が似ていて、ひとつの手法として作られることも珍しくありません。  

 「白浪」「上田暦手」など。

 魚屋とも書き、堺の商人の名前あるいは屋号からきているなどいろいろな説がありますがどれも推定の域を出ません。

 細い轆轤目に薄手の胴を立ち上げ、高台はやや小さく火色は青灰色、淡柿色などさまざま。

 「広島」「竜田」「利休斗々屋」などがあります。

斗々屋

熊川

 朝鮮の熊川港から日本に運ばれたことから、こもがいと呼ばれ、熊川手という茶碗の代表的なパターンを形作りました。

 口縁が反っていて、胴が丸く温か味のある女性的な形をしています。

 「千歳」「花摺」などの名碗があります。

 撥高台という外に開く大きな高台が特徴で、それによって丈も高く、薄手で椀形の胴をすっきりと見せています。

 五器、御器とも書かれ、写真は中でも代表的な紅葉呉器と呼ばれるもので、赤みの釉がほんのりと発色しているところが紅葉を連想させます。

呉器

柿の蔕

 茶碗を伏せたときの高台が柿の蔕に似ているところから名付けられました。

 鉄分の多い土で暗褐色の地肌を呈し、腰と胴の部分がはっきりと分かれるのも特徴です。

 「毘沙門堂」「大津」などの名品があります。

 手本となる茶碗の切形を送り、朝鮮の釜山あたりで焼かせた注文品を総称して御本といいました。

 さまざまな種類がありますが、中でも立鶴は有名で、徳川家光が描いたものを小堀遠州が切形を作り、送ったと言われています。

 筒形や半筒形に雲鶴が象嵌され、狂言袴の文様なども入っていることもあります。

御本

まとめ  

 この他にも金海、蕎麦、玉子手、雨漏、粉引き、伊羅保、

御所丸等の高麗茶碗があります。

 

 

第3回  茶入

茶入

茶入は濃茶を入れる器のことで、ほとんどが焼き物で仕服という布に包まれています。

もともと中国から伝えられた品で、薬や香料を入れるためのものでしたが、茶人たちが茶道具として使い始めました。

分類方法はまず窯により、唐物(漢作唐物)、瀬戸焼(藤四郎唐物・真中古・金華山・破風窯)、後窯、国焼などに分けられますが、今回は形でまとめてみました。

仕服に包まれた文琳茶入

肩衝の奈良・赤膚焼きで、いわゆる遠州七窯(仕戸呂・上野・前朝日・膳所・高取・古曽部)のひとつに数えられています。胴に波打つようなひねりがありふっくらとした優しい感じの茶入です。

 肩衝は頚(甑)の下の肩の部分が張っていて茶入れの基本的な形のひとつ。数も種類も沢山あり、名物に有名な「初花」「新田」などがあげられます。

写真は蝋燭手と言われるものでしょう。

肩衝

大海

 口造りが広口で、平たく大きな茶入れです。

肩衝とともにそれぞれ袱紗捌きの基本となっていて、特に大海は仕服の紐も長緒の扱いとなります。

 鶴の頚のように長く奇麗な形の茶入れです。

釉のかかっている部分を「なだれ」と言い、その先端を「露」といいます。

鶴首

耳付

 左右にかわいい耳がついている茶入れです。

肩についているので肩耳付とも言われます。

写真は茶入れの原点、瀬戸焼です。  

 

 小芋のような形から名が付きました。

「芋頭」という胴がはって背の高い種類もあります。

芋子

文琳

 頚がなく、肩から胴にかけて緩やかな曲線を描きながら底に達します。林檎よりも丸さが強調されてかわいい茶入れです。写真は上野焼きのものです。